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口内に響く水音が頭に響き、成る程フェラが好きな女性はこういうところに興奮するのか、と他人事のように思った。口一杯なそれは息をするのも苦しい程だったが、それ以上に、テオドールがそれ程までに感じてしまっていることについ口角が上がる。
「っ……大、っ……離せっ……」
嫌だ、と口に含んだまま追い立てれば、どくりと彼のものが脈打って、彼の体がこわばる。口の中に青臭い匂いと苦味が広がった。見上げれば、どこか呆然としたような顔をしたテオドールの顔があり、反射的に口づけた。顎をしっかりと掴み、顔を傾けることにより、口の中にある精液を彼に流す。テオドールは抵抗したが、彼の舌に舌を絡め、唾液と精液を混ぜてぐちゃぐちゃと掻き回してやれば、抵抗を諦める。しばらくそうして、顔を離すと、彼は口の中身をどうしたらいいのかという顔をしていた。
「飲めよ」
顔をしかめながらも、彼はごくり、とその喉を鳴らした。
「……もう、いいだろ……嫌がらせには十分だ」
掠れた声。大地は、笑ってその力の入らないであろう体を押した。ベッドサイドから、前の彼女に使って残っていたローションを手早く取り出す。出したことにより冷静になった頭を再び働かないようにするために、唇を重ねながらローションを指に絡める。後ろへと手を伸ばせば、びくりと彼の体が強張った。
「っ……!」
目を見開き、体を上にずりあげようとするのを止め、大地は首を傾げて、あえて今からすることを宣告した。
「何度も言ってるだろ。今からお前は、ここで俺を受け入れるんだって」
そう告げると、テオドールの顔が暗くなる。嫌だと、唇が音を立てずに動く。
「駄目だ」
固く閉ざされたそこに指をあて、揺するようにして揉んだり、擽るように撫でたりした。怯えを悟られまいと目を伏せて唇を噛み締め、頭を左右に振るテオドールの姿に、大地は胸が苦しくなった。彼はそれでも大地を突き飛ばすことはしない。ただその理不尽を、尊厳を踏みにじられる行為を黙って受け入れている。
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