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指を一本、二本と増やしていくと、彼の顔に余裕がなくなっていく。内側でバラバラに指を動かすと、体がしなる。
「んぅっ…………っふ……」
感じれば感じる程、彼は嫌だと言わんばかりに頭を振り、苦しそうな顔をした。汗でべっとりと顔に張り付いた前髪を避けてやると、その刺激にまたびくりと震える。荒い息と、噛み締められすぎて白くなった唇に、どれほど必死に声を堪えているのかが分かって下腹部に溜まった熱が暴走しそうになる。びくびくと震える体は、明らかに快楽に浮かされていた。強く掴まれたシーツに皺が深く寄る。今まで感じたことのない快楽を逃がそうと必死に喘ぎ、シーツに縋り付くその姿に、ごくりと唾を飲み込む。
「っあ……!」
先程までと違う裏返った声が上がった。いくら高くてもやはり女とは違うそれは、しかし大地がずくりと欲望を疼かせるには十分すぎた。
「そ、れ、嫌だ………っあっ」
「でも痛くないんだろう?」
指を三本に増やしてばらばらと掻き回してやれば、ぎゅぅと中が指を締め付ける。
「中、気持ちいいのか? 締め付けてくる」
時折わざといやらしいことを囁けば、羞恥で真っ赤になりながらも、快楽に打ち震える姿がたまらない。おそらく、テオドールは被虐趣味が強いのだろう。嫌だ嫌だと言いながらも快楽で染め上げられていく体に、舌なめずり。しつこいほど指で掻き回し、何度かイかせた。
「……そろそろ、いいか?」
ずるりと中から指を抜いて、覆いかぶさる。彼の目は、必死に大地に訴えかける。
「嫌、だ……許してくれ……」
「駄目だ、許してやらない」
とうとう漏れた懇願を一蹴すれば、彼の顔が絶望と恐怖で歪む。今にも泣き出してしまいそうな顔に、大地は困ったように眉をハの字にしながらも、言った。
「俺は今からお前に俺を刻み付けるよ」
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