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「ごめんって。え? 今から? 分かった、ちょっと着替えてからいくから待ってて」
向こうが電話を切ったのを確認する。ここからは一分一秒が勝負だ。ちょっとでも遅いと思われたら面倒なことになる。もう少しテオドールの中を堪能していたかったが、ずるりとまだ欲望を吐き出さないままのものを引き抜く。ひぐっと、テオドールの喉が動く。
「中途半端で悪いな。まぁ、ご機嫌とって帰ってくるから待っといて」
がちゃがちゃとベッドに手錠を引っ掛けて、テオドールの手を固定する。彼の顔が目に見えて青ざめる。ベッドの下から、興味本位で買ったバイブを引っ張り出し、ぐずぐずに溶けた孔に入れ、スイッチを入れる。
「ひぃっ……っあっ、あ……や、苦し、っん……抜い……くれっ!!」
見開かれた目を無視して自分はさっさと服を着る。振り返りもせずに、彼に声をかけた。
「まだ全然足りないだろ? 帰ってくるまで一人で遊んでてくれ」
「い、やだ、酷、……っぅぁっ、許……て……!」
がちゃがちゃと、手錠のかかった手を揺らして暴れる音が聞こえた。絶対にそんなことはしないと分かりつつも、一言かけておく。
「いい子で待っててくれよ。勝手に抜いたりしたら、後でお仕置きな」
もがく音が止んで、彼の悲鳴にも似た喘ぎ声だけが聞こえてきた。大地は、溜息を吐きながら家を出た。どうせ、恋人が大地を呼び出した理由もただ会いたかっただけだろうし、そう言いながら甘えてキスをせびるんだろうし、そのまま流れでセックスをしたりするのだ。それならばテオドールの方がいいと思うが、それでも大地にはその関係をやめない理由があった。
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