隠された『好き』 ―漫画家とストーカー ー (BL・R15)

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「漫画のことだといつも楽しそうにされているのに、心あらずですね。もしかして悩みでも? まさか、この間おすすめした健康診断に行って、何か悪い結果でも……?」  橋倉が心配そうに問うので、雨音は手を振った。 「いえ、健康です。あ、いや、実際は、もう少しちゃんと食べるように言われましたけど」  あまり食事に興味がない雨音は、つい食べることを面倒がって、栄養失調気味だ。締め切り前には寝不足も多く、このままだと体を壊すと注意されたばかりである。二十八歳にして、生活改善注意を受けて、大人失格みたいでひっそり落ち込んだ。  雨音は肉つきが薄く、ひょろっとした体型で、あまり外に出ないせいで生白い肌をしている。鏡を見ると、不健康そうなのでちょっと納得する自分もいる。  最近は集中力が続かないのが悩みで、一日十分程度の筋トレを始めたところだ。ツブヤイターで、同人誌時代からの友人にアドバイスを受けて、ちょっと盛り上がっている。 「それならいいですけど。それじゃあ、何か誹謗中傷でもされましたか? 相談してくださいね」 「いえ、それでもなくて。ちょっと……なんていうかその……」 「なんですか?」  雨音は溜息をつき、諦めて白状する。 「実はストーカーにあっていて」 「はあ!? 問題じゃないですか! どういうことですか」  身を乗り出し気味に、橋倉が詳細を教えろと催促する。     
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