Prologue

2/2
前へ
/5ページ
次へ
あの日、君が声をかけてくれなかったら……。 私は君の顔も声も、存在さえも忘れてしまっていたのかもしれない。 ただのお客さんの一人で終わっていただろうね。 だってこの店にはもう何度も来ていたんでしょ? それでも私、君の存在に気づいていなかったよ。 本当にごめんね。 今思えばきっと眩しかったんだと思う。 君たちの真っ白な制服は、いつも窓から入る光を反射してキラキラしていたから……。 まるで海の上を飛ぶ(かもめ)みたいだったんだ。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加