Prologue

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あの日、君が声をかけてくれなかったら……。 私は君の顔も声も、存在さえも忘れてしまっていたのかもしれない。 ただのお客さんの一人で終わっていただろうね。 だってこの店にはもう何度も来ていたんでしょ? それでも私、君の存在に気づいていなかったよ。 本当にごめんね。 今思えばきっと眩しかったんだと思う。 君たちの真っ白な制服は、いつも窓から入る光を反射してキラキラしていたから……。 まるで海の上を飛ぶ(かもめ)みたいだったんだ。
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