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「そうか…。
なぁ、俺が買ってやるって言ったら嫌か?」
「はぁ?シゲさんが?」
「そう、俺が!」
「いやいやいや、車だよ?
菓子買ってくれって
言ってんじゃないんだから(笑)
それに俺もう大学生だしさ、
そんな脛かじりみたいな事したくねーよ」
「バーカ(笑)
高級車期待してんなよ!
俺の友達車屋だから、
普通に買うより状態いいヤツ
探してもらえるし、安くもなるからさ」
「じゃあ、俺がそこから買うよ」
「入学祝い……させてくれよ」
「え?」
「ママさ、お前の大学の学費、
俺に1円たりとも出させる気ないんだって(笑)
俺はマサノリを息子だと思ってんのにな。
酷くね?(笑)」
「でも、シゲさんの金で生活させてもらってるから
ママさんは学費貯められたんじゃん。
シゲさんだって出してくれてると
俺は思ってるよ?」
「まぁ、そうなんだけどさ。
俺としてはもっと頼ってほしいって言うか…。
息子にこんな話する事自体情けねーけどな(笑)
形として何かお祝いしてやりたかったんだよ」
「さすがに車はママさん認めないだろ(笑)」
「だーかーらーー!
俺とお前で勝手に買っちゃおうぜ?」
「ヤダよ、
ママさんぶちギレたらめんどくせー(笑)」
結局、ママさんに内緒だとややこしくなるから
シゲさんと正直にママさんに話した。
案の定、渋い顔でそんな贅沢はいらねーって…。
でも、珍しくシゲさんが押し切り
なんとママさんが渋々OK!
中古だけど走行距離が殆どなく、
俺が好きそうなのを
シゲさんが友達と探してくれた。
5月半ばには届く俺の愛車。
車はもちろん嬉しかったけど…。
それよりもシゲさんが俺を想ってくれる気持ちが
スゲェスゲェ嬉しかった。
父さんとはまだまだ呼べない関係だけど
いつか、シゲさんを父さんって呼べたらいいな。
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