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僕の名前は昴。
星好きの父さんと母さんがつけてくれたのだけど、僕はあんまり好きじゃない。
学校での僕のあだ名は『谷村』
『昴』ってつく作品はいっぱいあるけど、演歌のイメージが強いみたい。
そんなあだ名で呼ばれて僕はよく泣きながら下校するんだけど、そんな僕をいつも励ましてくれる人がいる。
童顔の背の小さいお姉さんのめぐたんだ。
お姉さんを『めぐたん』って呼ぶのはどうかな?って思うけど、めぐたんは気にしない。
「男の子が泣かないの。君は谷村じゃなくて昴くんだよ」
めぐたんはズルい。いっつも優しい言葉で僕を励ましてくれる。好きになっちゃうじゃないか……。
「星の名前なんて素敵じゃない?きっと夢をつかめるから」
「……そうやって僕を子供扱いするんだ?そうやって僕を好きにさせて、悔しい思いをさせるんだ!」
めぐたんは僕の手を引くお姉さんだけど恋人じゃない。そんなのになれる訳ない。
「もう……。いいよ。今日は昴くんの恋人になってあげるから。私を好きにしていいよ」
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