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「はい、ご迷惑をお掛けしてます。すぐに迎えに行きます」
通話ボタンを押し、すぐに帰り支度を始める
ボクの会話を隣で聞いていた上司の江本さんは、すぐに理解をしてくれ
「残りは家でいいよ」
「いつもすみません」
「仕方ないさ。熱が出たんだろ?早く行ってやれ」
江本さんの笑顔でいつもボクは救われる
「ありがとうございます」
ボクはカバンを持って、デスクから離れた
彼女がこの世から居なくなって、半年が過ぎた
彼女はボクの子供を出産するとすぐに息を引き取り、ボクは彼女が残してくれた小さな彼を一人で育てる事にした
そのため、前にいた部署は到底子供を育てる時間が無いくらい忙しく、定時で帰れる部署に移動をして貰った
その部署は本当に環境が良く、上司の江本さんは男のボクが子供を育てることに理解をしてくれ(後で分かったことだけど、江本さんの父親もそうだったらしい)こんな状況になると早退を許してくれる
江本さんに感謝をしながら、ボクは彼の元に急いだ
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