31人が本棚に入れています
本棚に追加
3.11――2011年(平成23年)3月11日に発生した、東北太平洋岸から北関東にかけて未曾有の被害を及ぼし、さらには被災していない地域の人々も含め、日本全体、はては全世界規模でも大きな衝撃を与えた東日本大震災。
その直接的な原因は最大マグニチュード9.0を記録した地震による揺れと、それによって引き起こされた一部では38.9mにまで達した大津波によるものであったが、それに続く福島原子力発電所の事故やそのための電力不足、あまり計画性があるとは言えない計画停電がより一層の心理的、経済的大混乱を招いたことも大きな要因である。
また、地震発生後間もなくして、人々を混乱させたもう一つのものに「チェーンメール」と呼ばれる携帯電話やPCのEメールを媒体として流布されたデマゴギーがある。
かく言う私のもとにも当年3月13日に友人から送られて来たので、それを一つ例に紹介しよう。
(原文)
コスモ石油関係者より連絡
コスモ石油の爆発により有害物質を含んだ雨が降るので外に出る時は肌を露出せず傘やカッパを持ち歩くようにとの事でした。知り合いに回して下さいとの事でした。
「コスモ石油の爆発」とは、当時、紅蓮の業火が夜の闇を焦がす光景がテレビでも大きく報じられたコスモ石油千葉製油所のことであろう。
だが、実際に爆発したのはLPガスのタンクであり、有害物質が飛散した訳ではないし、そもそも千葉から遠く離れた著者在住の長野県松本市にまで飛んでくる規模となれば、もう首都圏は壊滅状態だろう。
どう見てもその手のメールに見えたし、ツッコミ所も満載なので、私はその旨を友人に伝えて注意したが、その友人は共通の東京に住む友人からこのメールをもらい、本当のことと信じて私達地元の友人数名に転送したのだという。
これと同内容のチェーンメールはなかなかの人気を博して広く流布したらしく、きっと同じようにして拡散していったに違いない。
最初のコメントを投稿しよう!