第1章

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次の日も,その次の日も,ミオンがボクより「デキる」ことをクラスが理解した。 ボクは記憶力でずば抜けていたのに,ミオンはボクの倍以上に円周率を言えたし,歴史の資料集の隅っこにあるよく分からない陶磁器の名前も覚えていた。得意なサッカーもボクより明らかに上手かったし,ミオンのフェイントに,ボクはそもそもついていけなかった。 一見大人しそうに見えたミオンは,あっさりとクラスの「一番」を塗り替えていった。 それでもボクは,そんなの気にしていないように,オトナのフリをしていたのだ。
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