第3章

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「うわあ!すごーい!」 丘に着いたとたん,ミオンが叫ぶ。 目の前には,雲ひとつない青空と,この町をなぞっている海が広がっている。 遠くに向かうほど濃い青色になっている。 風が気持ちいい。 「こんなとこあるなんて知らなかった…」 「あぁ,そうだろー。昔,よく来てたんだ」 ヤマザキ先生が芝生に寝転んで両手を組んで頭の下にして,空を見上げる。 両横に,ボクとミオンがそれぞれ体育座りで座る。 「ヤマザキ先生のオーラとおんなじくらい,キレイな青だねぇ!」 先生のオーラは,すごく澄んだ青らしい。 優しいヤマザキ先生にはピッタリだ。 「そうだねえ!」 ボクも調子を合わせる。 「今はもういいぞ。見えるフリしなくて」 「えっ」 二人の声がほぼ重なる。 まさか,と思うと同時に,やっぱりな,とも少し思った。 ボクがオーラを見えないことを先生が知っているのは薄々感づいていた。 でもやっぱり,ミオンもオーラが見えないのか。 ミオンがオーラを見えていないようには感じなかったけど,昨日の事件で,なんとなくそう思ったのだ。 「疲れるよなあ。ずっと見えるふりをするのは」 「……」 ミオンもボクも,黙っている。 小さなアリが草の上を登っている。 「ごめんな。何もできなくて」 海を見つめる。太陽の光が乱反射してキラキラと白く光っている。
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