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はじめて見た隊長の素の笑顔に少し戸惑っていると
隊長は「あ、」と思い出したかのように声を漏らした。
「そうだぁ~。
煉ちゃん、さっき聞いたんだけど転校生ってぇ~?」
やっぱりな、来ると思った質問。
てかさすが腐男子。
いや関係ないけどさすが。
切り替えが早い。
『はあい!僕もさっき耳にしたのですがあ、どうやら今日理事長さまの甥っ子さまが転入生として来るみたいなんですう!』
「えっ、今日なのぉ~?」
『そうみたいですよお~?』
そう、この俺という転入生が来てから1ヶ月。
遂に王道転校生が今日来るのだ。春からまだそんな日も経っていないのに転入生2人目って凄いよね。
俺は従兄を追いかけてきたみたいなものなんだけど……あーあ、うざい系じゃないといいなあ。
俺アレきらいなんだよね。
あ、もしかしてこれフラグ?
……ちがう、よな、そう、だよな……うん。
「そっかぁ~…」
うんうん、と頷きながら何やら気持ち悪いほどにやにやしている隊長。これはもしや隊長前回の俺のときと同様見に行くつもりなのかな。
俺も見に行くかな行きたいな、でも隊長いるし。
……やめるか。
『では隊長おっ!僕教室の方にいきますねえ!
お疲れ様でしたあっ!』
もう一度笑顔で敬礼すると俺は親衛隊室を後にした。べつにこれが親衛隊上の常識的な挨拶ではない。ただのノリである。
それにしても隊長羨ましいなあ。
俺も行きたかったあ……。
煉sideーendー
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