いざ、王道学園へ

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『────うわ…でか』 さすが王道学園なのか、月丘(つ き お か)学園の門は想像絶する大きさだった──。 え?あー…まずは自己紹介だよな。 俺、咲楽(さ く ら) (れ ん)。 青春真っ盛りを感じたかった高校1年生。 本日は、この"月丘学園"という幼少期から男とずっと関わり合っていたせいで同性に対して恋愛感情を持ち得るようになってしまった結果、ホモ7割、バイ2割、ノーマル1割という驚愕の数字を兼ねおいた、まさに王道中の王道の金持ち学園に転入してきた。 先程の説明でもわかる通りココは男しかいないし、加えて全寮制! ──…いまできる説明はこれくらいかな。 『それにしても、、』 門開かないんだけど。 インターホン押したのに出ないんだけど。 あれ、もしかしてこれインターホンじゃないの?? 確かにはじめて見るボタンだし、なんかボタンだけでも高そうだけど…これがインターホンじゃないのならこれは何なのだという話だ。 え、普通に出てくれない感じ??忙しいのかな?? ……見たところ、警備もしっかりしているのか門もきっちり閉まっていて簡単に開きそうにない。 え、飛び越えろ? やだよ、そんなの。 俺、門を飛び越えて副会長さまにナイスキャッチしてもらうような規格外な王道転校生には絶対なりたくない。 ……でもねえ、このまま待つのもなあ……。 ま、格好は王道じゃないから…… いい…の、かな? ……だれも来ないし……ま、いっか。
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