いざ、王道学園へ

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ゆっくりとした動作でこちらに向かってきたのは、すらりと華奢なスタイルをした超美白で、サラサラの亜麻色の髪におそらくカラコンであろう、金色の瞳をした女性とも男性とも思われる中性的な美人さんだった。 その腹黒(これも王道)副会長らしき美人さんは 俺と目が合うとにこりと胡散臭く感じるがその顔立ちのせいで美しくも感じる笑みを浮かべた。 あ、そこも王道なんですね、わかります! なにこの人理想通りすぎ。うますぎ。 でもごめんね。俺その笑みを指摘できません。 いつかの王道転校生に指摘してもらってね! キスしてあげてね!俺みてるから! 「はじめまして。 貴方が転入生の咲楽 煉さんですね? 私、ここの副会長を務めております九条(く じ ょ う) 真弥(し ん や)と申します。よろしくお願い致します」 綺麗な胡散臭い笑みを浮かべたままそう言うと、これまたなんとも綺麗なお辞儀をする。 なんだこのイケメンは() それにつられて、俺もお辞儀をひとつ。 副会長さまに比べたら醜いかもしれませんが礼儀は大事ですもんね。 今後のこと考えたら嫌われるだろうけどまだ嫌われる覚悟はありません。 はじめて会った生徒ではじめて会った先輩でもあるんだから。 では改めて (´ρ`*)コホンコホン… 『仰る通り我がその転入生…じゃなかった、はい!僕がそうです!よろしくお願いします、副会長さま』 「……」 やばい、ちょっとふざけただけなのに途中で副会長に冷たい目で見られた! ごめん!その目やめて! そのイタイ子を見る様な冷たい視線はやめて! 泣きたくなるぅうううううううう 「では理事長室まで案内しますね、私についてきてください」 あ、スルーなんですね なかったことにしちゃうんですね 俺ちょっとさみしいです 『はあい!』 少し伸びたチワワ特有の口調で返事をすると歩き出した副会長さまが少し怪訝そうな表情を浮かべてこちらを見てきたので苦笑する。 あ、言ってなかったけど俺、この学園では外見に合う話し方でいきます。 つまり、あれです、チワワになります。 だから一人称も"僕"。改めてよろしくね?
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