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パソコンを復活させて、データを消して、わざと、GPSは外さなかった。
それを部屋に置いて4ヶ月住んだホテルを出た。
新しいホテルで、予備のパソコンで元のパソコンの位置を調べると、パソコンは実家に沿っている国道を走っていた。
連れ戻す気だ…
そう思った時、またも、自分にしか子供は守れないと思った。
帰ったら間違いなくこの子は幸せになれない。
でも、私にはこれ以外の才能はない。
目立つと捕まるし…
そんなことを考えている時、ふと、母親学級のお友達を思い出した。
友達と呼んでいいのかもわからない。
でも、一人で生きていくには無力すぎた。
本当は、ずっとずっと寂しかった。
子供はいるけど、常にひとりぼっちだったから。
友達はパソコンだけ。
その人、桃さんは、私に話しかけてくれた。
向こうからしたら話しただけかもしれないが、私にとってはすごく嬉しいことだった。
プルルルルル─プルルルルルル─
『もしもし?桃さん?』
『うん?栗音か?どないしたん?』
『あの、今、会えませんか?』
『?ええよー、集合どこにする?駅前のカフェとかどうやろー』
『そこで。ありがとうございます。』
『いえいえー、じゃあ、30分後にー』
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