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episode3:この体との付き合い方
お金の心配は必要なくなったものの、妊婦の体というのは不便だった。
ただ、1時間たりともパソコンから目を離す訳にはいかないので、ホテルで1日パソコンを見ていた。
トイレに持ち込むとパソコンに水がかかるのが怖い。
ただ、とてつもなく気持ち悪かった。
パソコンと洗面器は必需品だった。
高校は辞めてきたが、通っていれば3年生。
18歳になっていた。
将来のことはまだ何も考えてないのかもしれない。
正直、感情に走って産む決断をしたのかもしれない。
自分に子供を幸せに出来るのかわからなくなっていった。
それと反比例して、子供はすくすく育った。
病院では、20歳だと年齢を偽り、職業はライターということにしている。
医療費10割負担というのは、かなり重いらしい。
ただ、本当に、お金の心配だけはしていなかった。
将来のことがただただ不安だった。
いつまでもホテル暮らしをするわけにもいかない。
父なし子の母親の職業が無いなんて、恥になるかもしれない。
この生活は、私に才能があって、才能がなかったからこそ成り立っているものだと、わかっていた。
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