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水無はそう言うと、勢いよくタックル。
抱きつくように両足をとって、東をひっくり返す。
倒した東を見て、水無は興奮していた。
……自分を鍛えこんでから、初めての人間との試合。
もう人間と戦えるなんて思ってもいなかったが、まさかの巡り合わせだ。
水無はずっと人間と戦いたかった。
人間と技を競いたい――。
それはやはり先祖代々受け継いできた武術家の血が求めていた事なのかもしれない。
いつか六車兄貴と戦うんだ!!!
憧れでもあった六車貴志との試合を望んでいた水無。
果たせなかった六車との対戦を、東に重ねるように挑んだ。
水無は倒した東の腕を踏みつけた。
そして水無の足が、東の持っていたハサミを蹴り上げ、遠くへ飛ばす。
そのまま水無は馬乗り、マウントポジションにとろうとする。
東は体を捻って、そのポジションから脱出しようとするが、体重差に加えて、重心がしっかりとしている水無はまるで動かない。
リングで戦っていた時からわかっていたが、水無の格闘技のレベルは東より明らかに上だ。
水無は完全にマウントをとると、東の顔面を打っていく。
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