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注文を聞いた女の子がまた大きな声を出し、厨房の方に向かっていった。
「東さん。サラダ好きなんですね」
「まあね。それよりブルーハワイってどんなお酒なの? 聞いた事ないや」
「お酒飲む人からしたらジュースみたいなものですよ。でも女子向けの甘いカクテルってハズレがないんで、いつも適当なカクテル頼んでます」
……そういえば新庄くんは、いつもカクテルばかり頼んでいたな。
そう思うと、何か妙な説得力を感じた東は、感心して頷いた。
飲み物とサラダ類が来ると新庄は、牛サイコロステーキ、牛肉のバターソテー・カレーソース、牛スジの塩煮込み、牛スペアリブを頼んだ。
東は新庄の分のサラダを小皿にのせながら思う。
……牛肉料理ばかり。
そういえばあの人もそうだったな……。
東が物思いにふけっていると、新庄が声をかける。
「どうしたんですか? サラダ取り分けながら難しい顔して?」
「いや、なんでもないよ。それより、はい、新庄くんの分」
「ありがとうございます。東さんは気が利きますよね。さすが32歳。大人の男。僕、別に女の子じゃないのに」
「最初の一皿だけだよ。後はもうやらない」
そして新庄に注文を訊かれた東は、枝豆、冷奴、キムチ、冷しトマトを頼んだ。
「ヘルシーだなぁ。僕も見習わないと」
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