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「若いハンサムな騎士を娶らせてくれるなら、と言うんですよ。それでアーサー王は安請けあいして、答えを教えてもらい。悪い騎士から城を取り返す」
「その答えって?」
東が訊くと、新庄は嬉しそうに買ってきたコンビニエンスストアの袋から、牛カルビ弁当を出し、割り箸で食べ始めて、寒かったのか? 部屋のエアコン暖房をつけた。
東は思う。
……どんだけ食べるんだ。
居酒屋でもあれだけ食べたのに、よく太らないな。
新庄はモグモグしながら言う。
「それは話を聞いていれば分かってきますよ。で、城は取り戻したが、まだ問題がある」
「あぁ、醜い老婆の結婚相手だよね」
「そうです。たとえ王の命令でも、醜い老婆と結婚したい若くてハンサムな騎士はいません。アーサー王が困っていると、甥である、若くハンサムな騎士、ガウェインが心配して事情を聞いてきたんです。事情を話すと、ガウェインは王のために老婆と結婚すると言いました。アーサー王は驚いて、そんな事はさせられない、と言いますが、ガウェインも、一度言った事は変えない、と引き下がらなかった。結局、アーサー王は折れて、ガウェインと老婆は結婚する」
「ガウェイン……すごいな」
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