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「村上春樹好きなんだ。わりと新しいやつだよね?」
「そうですね。それよりどこにします?」
新庄がそう言うと、二人は歩き出す。
切符売り場から歩いていると、茅ヶ崎駅の駅ビルが大分変わっていて、東は驚いていると、新庄が笑った。
「どう変わったんですか? 別にどこにでもある駅ビルじゃないですか?」
前はここまでオシャレな感じではなかった。
都会っぽい。
そう思ったが、でも東は詳しくは話さなかった。
二人は、北口をエスカレーターで降りて行き、適当に目に付いたチェーン店の居酒屋に入ることにする。
「いらっしゃいませ!!!」
アルバイトの大学生だろうか?
誰もが振り向く美人ではなかったが、愛嬌のある、きっと誰からも愛される女の子が大声を出していた。
とても笑顔で、感じのいい接客だ。
二人は席に着き、注文を訊かれる。
「お飲み物の方から先にお願いします」
女の子ははつらつと言う。
「東さんは決まってます?」
新庄が訊くと答える東。
「うん。あのすみません。食べ物もいいですか?」
そう言われた店員は笑顔で頷く。
東はメニューを見なくても、注文するものが大体決まっているのだ。
「俺はコーラハイボールと大根のシャキシャキサラダ、あと海鮮サラダ。新庄くんは?」
「じゃあ、僕はブルーハワイで」
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