記憶

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 朝日とともに起き、夕日を身体にあびながら1日が終わる。何げないそんな日が、ずっと続くと思っていたのだろうか?  幼い頃の記憶は、私にはない。あれから、10年の月日がながれ一番古い記憶を思い出してみても、15歳からの記憶しかさかのぼれない。   私の父は、どんな人だっだ?母は優しい人だっただろうか?思いだそうとすると頭が割れそうになってしまう。  私の最初の記憶は、教会の門を、「ドンドン」とたたきながら「助けて」と、一言だけで倒れこんだ。   それからは、ベッドの上だった。傷だらけの私を、何も聞かず暖かくむかえてくれた神父と奥様には、感謝しかない。   少しずつ私の心に、灯りをてらすように愛情をそそいでくれた。    今、こうしてここで生きているのも、いつか教会や子供たちの為、神父や奥様の役に立ちたいから。今は、教会を守る。その為に私は、強く今以上に強くなる。   身体の傷も今では私の勲章。   静かな街に黒塗りの影に足音が響く。 何んだか変な感じ、教会の辺りに、暗い影と殺気。       「誰だそこにいるのは!」  私は、建物の奥にいる者に言いはなった。  「ザッザッ」「タッタッタッ」   「逃げるな!」  足音が聞こえる。私は、後を追う。  だが、見失った。 背後から殺気、振り向き私は、刃をとめたが肩をかすめてしまった。  「うっ!」   「邪魔だてするなら命はないぞ!」 曲者は殺気を放ちながら声を荒げ去っていった。 かすめた肩から血が流れ、ポタポタと下に落ち赤く染めた。
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