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座っていた男性が、こちらに向かってきた!と思ったら私達をジロジロ見ながら案内の女性に耳打ちした。
少~しひそひそ話がすんだ後、私に指差して・・・
「君、明日から秘書として雇う。」
「んッ?」
《警備だけしてたらいいんだよね?》
「・・秘書ですか?」
「そうだ、その方がずっと一緒に見守れて良いのでは!」
斎藤さんが少し困った顔を私にむけて声は発しず口をパクパクさせた。
《んッ、何?もしかして・・・》
仕方なく私は、コクリとうなずくしかない。
《仕事、し・ご・と》
「秘書として雇うのだから上から下まで着替えてもらう。」
「ええぇー。」
《な・なんで、着替え?》
「君は?」
「斎藤です。」
「そうだな斎藤は、帰ってその他の警備をヨロシク。」
「・・・はい。それでは契約・・・ですが少し訂正させて下さい。」
「何処が!!その内容で契約する。」
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・・
「ですがこの内容ですと、少し無理があるかと。」
耳打ちした女性が少し口をはさむ。
「無理?無理かどうかは、秘書が決めるだろうね。」
「そうですが・・・」
「あのう、秘書とは私ですよね。」
「あぁ、そうなるな。」
《私が決めていいなら契約内容は変更してもらう。な・なんて言えるか~》
「・・・」
「訂正する所がないなら清家、契約を。」
「はい。では失礼します。」
「斎藤さん、こちらにどうぞ。」
《斎藤さん、何か言って。》
「はい。」
《えぇ~》
斎藤さんのコツコツとなっている足音が遠のいていく。
《まっ待って斎藤さん!行かないでぇ~》
「え~と君。」
「北条です。あ・・」
「何か?」
「資料に貴方の情報が記載されておりません。お名前をうかがっても?」
「う~んそうだな、着替えが終われば答えるよ。」
「藤本、着替えを。」
《秘書の服ってどんなのよ!スーツなんだからこれでいいのでは?》
「北条さま、こちらに。」
「・・はい。」
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