記憶

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 私は、肩の傷よりも曲者が、気になって仕方がない。  だんだんと、強者になってきている。 私だけでは防ぐことができない。  どうすればいいのだろうか?いつも、いつも、自分の身体に腹が立つ。  女に生まれてきた事が、こんなにもはやく壁になるとは・・・  辺りは、薄暗かったがだんだんと、明るくなってきた。太陽が昇る前に私は、部屋で傷の手当をした。  「起床、起床の時間ですよ。」と奥様が、各部屋に声をかけ子供たちを起こしている。  私は朝食の用意の手伝いでもと思い・・・  調理場へ「何かする事ない?」  「いいえ、私達で十分です。」  調理場の者や、朝の支度を手伝ってくれる人までもヒソヒソ・・・クスクス。 私は、あまり気分が良くなかったけど、クスッて笑われるのもしかたがないなぁと思い、笑って誤魔化した。  そこへ奥様が、「明日香、子供たちを食堂に。」 私のほう見てウィンク、笑って少し舌を出してた。 私も自然と、笑ってしまう。  「はぁ~い。_」と返事し私は、子供たちを呼びにいく事にした。  「ご飯だよ~食堂へ。」 私は、口に手をあてて子供たちをよんだ。 皆がそろうと奥様から一言いつものお言葉をいった。 「今日も皆が、一日の食事にありつけます。ありがとうございます。」   「いただきます。」   「おいしいね。」  「あっ!これもらい。」 つばさがエリカのハンバーグを、取ったりしてる。                     ワイワイとにぎやかな光景が、私には一番のごちそう。             あぁ~ケンカがはじまりそう。 まぁしょうがない・・・  エリカが、少し不機嫌になってるし奥様が、つばさに「ダメでしょ!」と注意してる! 私は、すかさずエリカのお皿のほうに、おかずをポン。「一緒に食べる?」 エリカは、頭をコクリ。 機嫌がなおってよかった。みんなで楽しく食事ができてホッとした。 私にとっての宝物の日々、いつまでも続け。
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