出逢い

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---------     ---------- 私のサイズを測っている間、別の部屋では、飲み物でくつろぎながらお話し中。   「藤本さま、北条さまをあの方がお気に召したと思っても?」と、 店の主が問いかけている。 藤本は、返事の答えに困り、答えるのに少し間があいた。  「・・・」  「私がこちらに連れてきたと言うだけです。」と、 藤本が返事。  「そうでしたか。」 --------  「ですから、そのつもりで。」と、 諭すように言った藤本の唇が微かにふるえる。 店主もここに来てからはじめての経験を聞くことに躊躇いの舌は、唇におさめてしまっていたが・・・ 《こちらに来る女性は、あの方のご家族に親族ぐらい?藤本さまがつく事などなかったはず!》 店主もはじめての事、藤本さまを思い詳しくは聞けずにいた。  《長年使えてきたあの方を、藤本さまはどう思っているの?》 藤本さまの立ち姿に、あえて聞かぬように軽く言葉をそえた。  「かしこまりました。」   奥の部屋からサイズをはかり終え、店員の女性が出てきた。  女性は、少し神妙な顔つきで口に手をあてながら・・・店主に・・・ 小声で・・・  「あ・あのうぅ お耳を。」  ・・・・・・・・・・      ・・・・・・・・          ・・・・・・・  「えっ!そう?ありがとうわかったわ。」 小声で話しながら店の主に事細かく話した。 藤本は、北条さまの事をと、店主に問い話すように促した。 店主は少しの間考え、あえて個人の情報を話す。 ヒソヒソ・・・  「北条さま、さあぁ~帰りましょうか。」  「あっ、はい。」    「藤本さま、先程のお召し物の件、北条さまの物が出来上がりましたらご連絡さしあげても。」  「そうですね、連絡してからこちらに運んでくださいます?」 「かしこまりました、本日お越しくださりありがとうございました。」 店の主は、ドアをあけ頭を下げつつ手荷物をひとつ差し上げた。
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