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私のサイズを測っている間、別の部屋では、飲み物でくつろぎながらお話し中。
「藤本さま、北条さまをあの方がお気に召したと思っても?」と、
店の主が問いかけている。
藤本は、返事の答えに困り、答えるのに少し間があいた。
「・・・」
「私がこちらに連れてきたと言うだけです。」と、
藤本が返事。
「そうでしたか。」
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「ですから、そのつもりで。」と、
諭すように言った藤本の唇が微かにふるえる。
店主もここに来てからはじめての経験を聞くことに躊躇いの舌は、唇におさめてしまっていたが・・・
《こちらに来る女性は、あの方のご家族に親族ぐらい?藤本さまがつく事などなかったはず!》
店主もはじめての事、藤本さまを思い詳しくは聞けずにいた。
《長年使えてきたあの方を、藤本さまはどう思っているの?》
藤本さまの立ち姿に、あえて聞かぬように軽く言葉をそえた。
「かしこまりました。」
奥の部屋からサイズをはかり終え、店員の女性が出てきた。
女性は、少し神妙な顔つきで口に手をあてながら・・・店主に・・・
小声で・・・
「あ・あのうぅ お耳を。」
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・
「えっ!そう?ありがとうわかったわ。」
小声で話しながら店の主に事細かく話した。
藤本は、北条さまの事をと、店主に問い話すように促した。
店主は少しの間考え、あえて個人の情報を話す。
ヒソヒソ・・・
「北条さま、さあぁ~帰りましょうか。」
「あっ、はい。」
「藤本さま、先程のお召し物の件、北条さまの物が出来上がりましたらご連絡さしあげても。」
「そうですね、連絡してからこちらに運んでくださいます?」
「かしこまりました、本日お越しくださりありがとうございました。」
店の主は、ドアをあけ頭を下げつつ手荷物をひとつ差し上げた。
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