記憶

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 子供たちも、日々一緒に成長してゆく中で私の、母性というか女性的な感じが芽生えつつある気がして・・・最近は、子供たち全員が笑いながらよってきてくれるようになった。  嬉しい事があると、その反対も・・・  最近は、昼も夜も関係なくあやしい者が、彷徨くようになった。奥様も、気がきではないようだ子供たちに向ける笑顔が強ばっている。     私は、みんなの不安を取り除きたくてあやしい者に、何か言うつもりで足を一歩、なぜか奥様が、止めにはいった。  「後で話があるの。」と奥様が、深刻な表情で私に言った。私は子供たちを、教会の建物の中に呼んだ。  「みんなで紙芝居みましょう」  「今日の読みては、神父で~す。」  「わ~い」と言いながらみんな教会の中へはいってくれて、私はホッとした。  神父は、ウンウンとうなずきながら、苦笑いで私のほうを見てた。私は、ハハハと心の中で小さく笑った。私は、子供たちを神父にまかせて奥様についていった。部屋にはいると奥様は、ドアの辺リをキョロキョロ・・・「バタン」 私にかけより手を握りながら奥様が話し出す。  「今から大切な話しをするからよく聞いて。」  私はうなずきながら奥様の顔を見た。  奥様は、目に涙をうかべながら私を抱き締めた。  「あなたの母は、私の姉さん。」  《えっ?》  「あなたの両親は、亡くなってしまったのよぉ~。」 奥様は、子供のように泣きじゃくっていて私は奥様の背中を、ポンポンと軽く叩いていた。 悲しい気持ちや、悔しい気持ちになる前に奥様の話しを聞かなくては・・・ 気持ちは焦るが、奥様の気を静めるのを優先した。  
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