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背の高いお客様を、見上げるのにもさすがに首が疲れてきて、少し頭を下げつつ目線をお客様の頬の辺りに置いた。
・・・・・・・
事務所を通さず直接こちらにきたという事は・・・
お客様は、面倒な事を頼むつもりなのだろうか?
咳払いしたのち、畳み掛けるように話し始めた。
「えーと・・・」
《私の名前は知らない?・・・忘れたのね。》
「北条です。」
「ゴホっ。」
「今のこの時間にここにいるって、仕事は休みだな。休みなら私に付き合え、なぁ~に簡単な事だ。とりあえず、何か食べながら話す、そうだなまずは、・・・乗れ。」
もうひとりの男性が、黒光りした車の後ろの両ドアを開けながら私に乗るように促した。
私は断る事もできたが、仕事をさせてくれない腹いせに車に乗ることにした。
《携帯の電源オフしとこ~》
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