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「……放せ」
少女の細い手が青年の腕を掴んだ。
口から出た言葉とは裏腹に、少女が弱っているのは誰の目からみても明らかだった。
「まあ少し休みなさい。アレがきたら私が追い払ってやるから」
黒髪の青年は少女に向かって、まるで自分の小さな妹に話し掛けるような優しい口調で言った。
少女は青年の腕を掴む事でようやく立っている状態だった。
その時、少女は冷たい金属の感触を頬に感じた。
青年の首から何かが下がっている。
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