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その年は十分な日照を作物が得る事ができず、飢饉が各地で発生した。
翌年も長雨のせいで疫病が流行り同じことが続いた。
それを憂いた国王は、神官たちの力だけでは不十分と思い、名のある魔法使いを片っ端から王都へ連れて来させた。
そして魔法使いに太陽神を召喚させ、国王自らがこれまでの慢心を、感謝の心を忘れたことを懺悔した。
アルヴィーズ神の立腹はそれで一時解けたが、けれどかの神を信仰のみで呼び出せるものは皆無となっていた。
それからである。
魔法使いが大神官に任命されるようになったのは。
条件はただ一つ。
その力でアルヴィーズ神を喚び出せる事。
魔法使いの数は神官のそれよりもずっと少ない。
まして『神』を呼び出せる実力を持つ魔法使いとなれば、さらにその数は限られてくる。
リスティスの類い稀な魔法の才能を受け継ぎ、開花させたリセルが、彼女の後継者となるのは王命でもあった。
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