【3】旅の目的

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「リセル」  ルーグが呼びかけてきたがリセルは無視した。  うるさい。  こっちは早く寝て体力を回復しなければならないんだ。  なんせあんたみたいな大人の男じゃないから、とにかく体力がないんだ。 「……そうだな。しばらく寝た方がいいな。見張りは私がやるから安心してくれ」  そうですか。  それはとってもありがたい。  リセルは両目をつぶった。このまま眠ろうとおもったが、彼のマントを被ったままリセルは小さくつぶやいた。 「ルーグ」 「何だい?」 「助けてくれて……ありがとう」  ふっと神殿騎士は笑い声を漏らした。 「おやすみ」 「……」  リセルは返事をしなかった。いやできなかった。  忍び寄る睡魔にとうとう捕まって、夢をも見ない眠りに落ちてしまったから。
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