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『…チチッ、チチチッ…』
何かの音
何かが鳴いた
何にも心動かされることもなくなっていたはずなのに
なぜかその声に惹かれ 体が動いた
そっと手を伸ばし カーテンを開ける
『チチチチッ…』
小さな影がふわりと飛んでいった
その先を見上げると…
あおい、青い空
しろい、白い雲
そっと片手を上にあげる
ぐっと空をつかむ仕草
でも、届かない…
当たり前…
でも
今、もう一度顔を上げることができた
もう一度この手を伸ばすことができた
そのことが…
もう一度前に踏み出せる
第1歩
明けない夜はない
澄み渡る空を見上げ
その言葉を思い出した
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