二番目に好きな色

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小学生の頃、集団下校がこの三人は同じだった。あの頃はなんのことはない話をしながらにぎやかに帰った。 だが、中学生になると男女が気軽に話す機会は失われる。クラスが別なら尚更のことだ。 今こんな風に会話できたのは、クラス替えの妙な緊張からの解放の、クラス替えハイ状態だからだろう。知った顔に妙に異常な親近感を覚える「クラス替えハイ」 私に話し掛けてくれて、私も気軽に答えてしまった理由付けに、自分で納得する。 「長瀬は相変わらず、小さいな」 「うるさいな、放っておいてよ」 148cmの身長がコンプレックスだった。あと2cmで大台なのに。頑張れ、私の骨と筋肉。 「俺が座るとさ、見える? 黒板」 咲の笑顔を見たときよりも、どきりとした。こんなに気の利くことを言う奴だったろうか。 「微妙に、見える」 私はちっとも気の利く答えが言えなかった。 「なんだよそれ」 戸田君の眉間に横三本の皺ができる。 なんだよ、その笑い方。身長がいくら伸びたって、小学生の時と変わっていないじゃないか。
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