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言霊
5時間目、授業の終わりをつげるチャイムが鳴る。
授業より耐え忍ばないといけない時間がやってきた。
自分の席を立つのも・・・
10分間ぐらいじゃぁ屋上に行ってもボォーと出来ないし、トイレに行けば席がなくなる。
前の席に、餌に群がる魚のように女子が集まる。
私は、窓から外の景色を見て、この時間から逃避・・・んッ!
~出来なかった。
《何故?後ろを・・・私をみ・て・る、まさか。》
女子達のキツすぎる視線を感じながら私は、小さいため息をひとつ机に吐く。
下をむいたままの状態に、さらに苦痛を運んできそうな予感。
「あぁ〰️」
女子達のトゲトゲした悲鳴と同時に、私の頭に手をおく前の席の人。
ビックリ・・・した。
自分では、その手をどける事ができず、小さめの声を出すのでいっぱいいっぱいだった。
「あ・あのぉ~、頭にのせてる手をどけてもらいたいのですが。」
「ごめん・・・香坂さんは学校が終わるとすぐ帰るの?」
なぜか話しが続く・続いている。
「えっ!ええ、すぐ帰ります。」
「そう?」
また女子達の機嫌が悪くなりそうでだるい。あと1時間くらいで、学校が終わる。
それまでのしんぼう。
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