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先生の身体から、黒い影が出てきた。
先生は、その場で、気を失い床に倒れグッタリしている。
その黒い影は、段々と人の形に・・・んっ!人間というよりは、映画やテレビに出てきそうな魔物!
そう魔物のよう、身体中緑色の鱗で、指から延びた爪はまるで刃のよう今にも、切り刻んでしまいそう。
その魔物は、眠ってしまった私に顔を近付けて二度ほど息を吸った。
匂いを嗅いで、不気味な笑みを見せた。
「うまそうな匂いじゃぁ~、今まで待ったかいがあったな。」
「あの方が申したとおり、力の源のカギか?」
「あの方に、このまま渡す?ちょっと惜しいなぁ~その前にひと舐め。」
魔物は、漆黒の闇が背後から近付いてくるのを感じ、ゴクリと喉をならした。
「グル、何をしている。」
「いえ・・・なにも・・・。」
「余計な事はするなと言わなかったか。ただの監視さえ出来ぬとはな。」
「お・お許しを・・・。」
「今ここで、無能なお前の目を潰し、お前の舌を引きちぎりのたうち回る様を・・・」
んっ?ここは?私は・・・
いつもの夢の中のよう。
霧のようなもやが、前に進みたくても進めない、足もとのまわりに道さえない。
いつもの夢・・・じゃぁない!
なんだろ・・怖い。
ものすごく怖いけど、目を凝らして見ている私がいた。
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