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「誰かぁ~誰かいませんかぁ~。」
「夢なら早く覚めてほしい。」
《向こう方から人影?人間!じゃぁない!》
目をこすりよぉ~く見ても、やっぱり人ではなかった。
人影は、段々と形になっていき青ざめた顔で私に言う。
「早く、はやく目覚めて、あなたに危険がせまっています。」
「な・に?」
「私!!危険なの?」
《目覚めたくても目が覚めない。頬でもつねる?》
「いたっ・・くない?」
「グルよ、娘はまだ目が覚めないが、このまま目が覚めないのではないか。」
「そんなはず・・は・」
その頃私は、まだ保健室の机に顔をうずめて眠ったまま夢をみていた。
「このまま目覚めなければ、私の世界へ連れ去ってしまおうか。」
「なりません、今はその時期では、ないではありませんか。」
「そうだが、今は誰のものでもない無垢なまま・・・。」
「あぁ~。えぇ~ぃ。だがこのまま去るのも・・・。私のしるしをつけておこうか。」
「魔王サ・「グル」。」
「その名で呼ぶな!」
「申し訳ありません、ですがしるしは今は1つに。」
「わかっている、娘の身体がもたないからなぁ~。 」
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