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 引っ張られ、倒れそうになりかけたが、つかまれた肩の左の肩ごとつかまれて(ぼく)は、その人の胸に収まった。  《誰?背中に体温が!あたたかい。》  「誰!!誰ですか、離してください。」  「遅刻したから、ちょっとお仕置き。」  《えっ!ちょっ・誰?本当に誰だろ。》 後ろを向きたくても、私の横顔に誰だかわからない人・・・ (ぼく)は、顔から下まで覆われて身動きが出来ない。 離してほしくてジタバタした。 手をバタバタしたら背中をトンと押された。包まれた身体から離れ・・・ホッと。 (ぼく)は少しよろけながら、後ろを見たが誰もいない。  掃除も終わり、午後の授業を学ぶ為に席についた。 前の席の男子がまた椅子で、(ぼく)の机にコンコンとあててきた。 いつもの事だけど毎日これじゃノートに書く字が、あたるたびに字がはねてしまう。  「あっ!ごめん。」  《なに?急にあやまってきた!》  「いえ。」  「あ~字が!ホントごめんね。次から気をつける。」 (ぼく)に、はじめて前の席からの言葉! 少し、いや、かなりうれ・し・い! かなり嬉しかったはず、そのま答えていた。    「気にしなくていいですよ、学校・・・授業はあまり聞いてないですし。」  「なんで敬語?」   「・・・。」  「こらぁー間宮、前向けぇー。」  「ヤバッ。」 先生に怒られた後、すぐ前をむいてからは椅子でコンコンされる事はなくなった。
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