ブルーアイ

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「僕のことどう思う?」 掃除時間、一人でゴミ箱を運んでいる時。 突然、私に声をかけてきたのは、同じクラスの男子。 「クラスメイトの男子。」 その男子は目を丸くする。 「え、それだけ?」 「それだけ。」 そのまん丸に見開かれた目を見て私は思い直す。 「やっぱ訂正。きれいな瞳を持ってると思う。」 私は真顔で大真面目に言った。 なのに、その男子はぷっとふき出した。 「あはは、なにそれ、もっと他の子みたいに、“かっこいい!!”とか言わないの?」 男子は笑っているが、その目は笑っていない。 しかし、怒っているというよりかは、真剣な目、という感じだ。 「クラスメイトはクラスメイト。 そもそも、かっこいいの基準って何?私にはわからない。あなたはただただ、きれいな青の瞳を持っているだけじゃない。」 「ふぅん。 青い瞳をもっている“だけ”か.... ははっ君面白いね。」 「用事はそれだけ? じゃあ私は掃除戻るから。」 私はそうして、また、ゴミ箱を運び始めた。 「そっか。じゃ、またね。」
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