第1章 契機

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ーーどうして、こうなってしまったのか。 自分でもわからないまま、常より間近にあるその人の顔にいろんな意味で心臓がバクバクと鼓動をあげる。 そんな俺の心など露知らず、目の前のこの人は、いつもの無表情で俺を見つめ、そして。 「お前、なんか俺に言いたいこと、あんじゃねーの?」 「はい……?」 月島尚人(つきしま なおと)、17歳。  ただいま、お世話になってる保健室の先生・上城暁(かみしろ あき)先生から唐突にそう問いかけられ、壁ドンされてるところです。
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