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第一話
ここは、天錠街。
長い戦国時代が終わり平穏な時代が始まる。
人、妖怪、文化など様々なものが複雑に集まる街。
昼は多くの人で賑わい、夜は、赤い提灯が照らす。この街の入り口である門は常に賑わっている。
この街に入って来るのは商人であったり、食い詰めの浪人、旅人など様々な理由を持った人達で溢れかえり、よく言えば活気のある街、悪く言えば、駆け込み寺のような街。
流れ着く人達は口を揃えてある皮肉を言う。
【街全体がまるで大きな遊郭の様だ】
それは、汚くもあり、綺麗なところであると言う事である。
ただ、遊郭と言っても遊女は街の真ん中にいる訳ではない。当たり前だ。
ただ、下から五重の塔が入りそうな高さまで遊郭の様な派手な建物が上へ上へと積み上げられ、ひしめき合っている。それは確かに華やかな街である。
そんな街に一人の少女が流れ着いた。
「うわぁ、上まで、建物がある!凄い華やかな街!」
思わず、口に出たその言葉は、少女の期待に満ちた気持ちを表している様であった。
少女は歩く人々に押されながら、ゆっくりと歩きだした。
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