第一話

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少女は歩き、ふと思い出す、財布を取り出し、中身を確認する。 そこには、三十文ほど入っている。 どう考えても一日持てばいいような金額である。 ※この世界では一文25円な為、750円と言う事になる。 「うーん…とりあえず、何か食べたいなー」 そう、小さく呟くと、食事処を探しに再び歩き出した。 完全に無計画である。 この天錠街(てんじょうがい)入り口の門から、続く大通りには、飲み屋、食事処、甘味処など多く並んでいる。 もちろん上にも、多くひしめき合いそして、少女の目に甘味処の看板が見えた。 「やっぱり、甘いものね!」 三階にある、甘味処へ歩いていく。 三階へと着くと景色の良さに驚きつつも、目的の甘味処を探し始めた。 目的の甘味処には【菊水庵(きくすいあん)】と書かれていた。 結構な賑わいをみせている。 少女は店に入ると、店員に声をかけた。 「あの、みたらし団子3つ下さい」 店員は、注文を聞くと少女に言った。 「はいよ、好きなところに座っていいよ。少し待ってね」 少女は店の中の空いている長椅子に座り、店内を見渡した。 先程よりかは人が少なくなっていた。 ふと、目に入った求人の書物を手に取ると、パラパラとめくり始める。 「いいところで働きたいなぁ…」 少女はふとそう呟くと同時に団子が置かれた。 少女はそれを食べながら、またペラペラとめくった。
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