5・調教と暴力

2/5

45人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
     ◇  そういえば、新婚当初はお金が無くても一人くらいは子供が欲しい、と2日に1回の割合でセックスしていた。下手糞なくせにバックでやりたがる彼に、痛いの我慢して演技で喘ぎ声を出していた。  その頃は家計簿も毎晩付けて貯金をする努力をしていた。誠と結婚する前は、残業代が出ないくせにほぼ毎日残業というブラック企業に勤めていた私。それが誠に拾われて寿退社した。  誠が仕事に行ってる間、帰ってくる夜まで自分だけの自由な時間を堪能した。  家事する時間は充分あるのに、ソファーに寝転がって午前中からワイドショー観て、その後は韓ドラ観ながらダラダラ。昼食は一人だから、お菓子とレトルト食品で簡単に済ます。  家計簿は1ヶ月付けただけで、タンスの引き出しの中でずっと眠り続けていた。      ◇ 「伸子。お金が1000円くらい合わない。何に遣った?」  私が家計簿付けないから、誠がパソコンソフトで付ける様になった。レシートの金額と財布の中の金額が合わないとこの人はブチギレる。 「ガソリンかなぁ。お釣り無かったらレシート取り忘れるかもだし……」 「コンビニ、レシートくれないとこあるし……」 「チッ! そんなの“レシート下さい”って言やあくれるだろ!! その日その日で考え無しに財布の中の金遣うんじゃなくて、“今日は遣い過ぎたから気を付けよう”とかちゃんと考えてやれよ。どうして俺がこんな事しなくちゃいけないんだ!! 奥さんがやってるだろ普通は! 毎日家に居るくせに掃除はしないし、メシも冷奴とかレトルトばっかの手抜きだし。ネット見りゃあ作れるだろ!? 時間あるんだから!  俺のために何かしてあげようとか思わんのか!!」
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加