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こんな姿になっていながらも、懲りずに性欲を露にしてはしゃぐ馬鹿。柔らかい肉のヒダに締められながら擦られて。気持ちがいいのは、挿入してから汁が出るまでのほんの一時だけ。絶頂を迎えて濡れた穴から出された後は、口をきつく縛って廃棄される運命なのに。
『なぁ、奥さん……』
うるさい。いい加減黙って。
『愛する人に棄てられる。
これ程に悲しい事って無いッスよねぇ』
そうか。こいつは娘に……風呂場から出てきたところを、台所の包丁でメッタ刺……
私もこいつと同じ。己の身勝手さで造り出した包丁で夢をバラバラに殺した。
限界。もう話かけないで……
『奥さん良いだろ? もうこの際……』
うるさい!
『奥さん……ハァハァ……』
変態ストーカーかよ。さっさと死ね。
『見てごらん。こんなにいっぱい出た……』
出たって何が。……しね!
「いらっしゃいましぇー」
お客様ご来店合図の軽快なメロディーと共に、モヤシ体型男子アルバイト店員のか細い挨拶がコンビニ店内に情けなく飛ぶ。
土曜のPM22:00過ぎ。
自動ドアから入ってきた客は黒い背広スーツを身に着けた男。
金髪スカジャンカップルなら可能性あるかもだけど、このスーツは私を買わないだろう。おそらく弁当コーナーで助六と缶ビールとかいった軽めの遅い夕食メニュー買ってくに違いない。土曜に(多分スーツだし朝から)こんな時間までお仕事ご苦労様です。
キモい変態に言い寄られウンザリしてるから是非貴方みたいな方に買って貰いたいけど、スーツは無いな。無理。確率は5%以下だ。
弁当/惣菜売り場はあちらでございますよー。
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