5・調教と暴力

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   そんな拷問に近い性行為を繰り返し続けていく内に、向こうも男として情けなく感じ出したのだろう。私と羅王とは離れて、誠は書斎に布団を敷いて寝るようになった。 「おとうさんと寝るー」  羅王はたまに誠と書斎で寝る事があったけど、私はあの日の「口でやってよ」以来、あの人の側で寝る気にならなかった。      ◇  謙介さんと不倫関係になってから、誠の前で服を着替えなくなった。  その反面。密会に利用してるホテルで、謙介さんに目隠しされて服を脱がされるのが好きだった。    倦怠期を迎えた夫婦の妻の方を主役にした、ダブル不倫ドラマが最近流行ってる。家庭がある者同士の恋愛なのに、途中に旦那さんや向こうの奥さんに不貞行為がバレそうになるアクシデントを取り入れて。今回は手を繋いだだとか、今回はキスしただとか。学生同士のピュアラブか? ふざけんなよ! とツッコミ入れたくなる展開の遅さ。それだけで終盤までセックスなんかしなくても、互いに家庭があるという設定だけで、濃厚なエロシーン演じてる独身のオフィスラブなんかより刺激的なストーリーに仕上がるから不思議。  そんなのを主人公にするものだから、主人公の旦那や不倫相手の奥さんが全然悪くないのに悪役設定になってしまう。  あくまでそれは視聴者を釣るために大袈裟に作り上げたドラマ。妄想で止めておくだけで、実際のところ、そんな人として道の外れた事など出来ないのが普通だと言いたいが、私の様に狂ったロマンスを演じてた役者達が案外そこらじゅうに潜んでいるのかもしれない。  日常生活にストレスを抱えて。そんな時にたまたま謙介さんに出逢えた事がきっかけで恋に恋してバカみたいに浮かれて。  人は弱ってる時に優しくされると、とても脆くて崩れやすく、正確な判断が出来なくなってしまう。ドラマの様にはいかない。経験者だから言うけど、現実での不倫の展開はまさしくジェットコースター。私は謙介さんと初めてのデートでセックスした。
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