第五話 群青雨

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ダメだ、ここに人はいないんだ。 仕方なく俺は雨さんについていくことにする。 -------------- 「新入部員歓迎会?」 「うん、太陽ちゃんと響君の歓迎会をしようと思って相談したいんだ」 歓迎される本人に相談するというのはどういうことなんだろうか。 しかしその気遣いには感謝したい。 「えぇ、俺でよければ。それで何をすれば?」 「部費の予算でケーキを作ろうかと思って。まだ同好会だけど一万円くらいは出るから」 「だからね、明日の放課後に買い出しに付き合ってほしいんだ」 成程、だから荷物持ちに男手が必要で俺に相談したわけか。 「わかりました、付き合いますよ」 「本当?よかったー、ありがとう!じゃあ放課後正門で待ってるねっ!」 そう言って雨さんは一心不乱に地面に5メートルくらいの穴を掘り ヤムチャが使う操気弾のように 地中から空へ向かって飛び出し木の裏へと消えていった。 ここの人達は普通に退場する事ができないのか -------------- <翌日の放課後> -正門- 「響君ーっ!お待たせー!ごめんね、待った?」 「いえ、大丈夫ですよ」 正門で5分くらい待っていた俺に駆け寄ってくる雨さん。     
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