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「雪ちゃんは沼、太陽ちゃんは穴、夜ちゃんは塔に行くから今日は付き合えないんだって」
どういう事なんだ。
ドラクエの世界にでも行っているのか。
「じゃあ行こっか!」にこっ
そうして俺達は商店街へと向かっていった。
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<商店街>
「なんだかこうしてるとデートみたいだねっ、私した事ないから憧れてたんだっ」
意外だった、容姿だけは完璧な女性だからそれくらいは当たり前にしていると思っていたが。
男であれば確実に声くらいかけるであろう、性格さえ知らなければ。
現に雨さんの後ろにはうちの男子生徒がぞろぞろと列をなしてついてきていた。
なんだ、ここがドラクエの世界だったのか。
「この子達はいつもこうだから気にしないでね、なんか私のファッ・クラブなんだって!」
危険な単語が聞こえたような気がする、警察に電話した方がいいのだろうか。
「誤解しないで!わたくし達はファンクラブよ!」
列を率いていた先頭の唯一の女子生徒が声を挙げる。
ファンクラブとファッ・クラブをいい間違えただけか。
だから何か俺に対して「殺す」だの「許さない」だの「ファミチキ」だの列から聞こえてきたんだな。
「ファミチキ」って何なんだ。
「だけど…ファンクラブまであるなんて凄いですね…」
「えへへ…恥ずかしいんだけどね…」
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