第六話 響 十十

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第六話 響 十十

「今日は久々に全員集合ですねっ!」ぴょんぴょん そんな太陽の元気な言葉と共に先輩主導の下、部室では「新入部員歓迎会」が開催された。 太陽の言う通り、夜さんのバイトや雨さんの生理休暇で中々揃わなかった俺達は約一週間ぶりに全員が部室にいた。 「ほら、今日の主役は二人だよ、座って」 雨さんがエプロン姿でウェディングケーキを運ぶ。 しかもエプロンの下は裸だった。 「ほら、私って大将だから。野に咲く花のように」 もう既に意味がわからないが俺は気にしない。 今日はせっかくの祝いの席だ、多少の事には目を瞑ろう。 「凄いです!ウェディングケーキ!これはアタシとお兄ちゃんの結婚式も兼ねてるんですよね!?」 「危ぶむなかれ、危ぶめば道は無し、乾杯」ブリブリ 太陽の妄言は無視され、雪さんが突然乾杯の音頭を取った。 っていうかそれは音頭なのか? しかも排泄音まで聞こえてくる始末だった。 しかし祝い事なので俺は気にしない。 「イランカラプテ」 「イランカラプテ」 雨さんと夜さんはアイヌ語で祝杯をあげた。 何の儀式なんだこれは。 しかし祝い事祝い事祝い事…… 太陽「じゃあお兄ちゃん、今すぐこの蝋燭をアタシのお尻に突っ込んでください!」はぁはぁ     
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