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ステンドグラスの天窓から降り注ぐ虹光の中、キリスト像が立っている。誰もいない教会堂内。しかし、ぼそぼそと低い声が壁の方から聞こえる。告解室がある教会のようだ。
「……ただただ、女が欲しかったのでございます。強くて美しい女を自分の物にする。これ以上の至福はないと、あの頃のワタクシメは思っていたのでございます」
告解室の中には、指を組んだ両手を前に頭を垂れる金髪の男。はあっ、と大きな溜息をつく男の横の小窓にはシスターの横顔。神に代わり、男の懺悔を聞いているものと思われる。
しかし……。
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