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本棚に追加「お主、何をしておる」
広い境内の片隅で、握り拳ほどの石を無表情に積み重ねている少年に声にかけたのは、でっぷりとした背の高い中年男性。
小さな目をとろんとさせているところを見ると、少し酒が入っているのか。
少年は男性を興味なさげな目で一瞥した後、無言で石を積み上げ続ける。
「この石になにかあるのか」
少年の横にしゃがみ込んだ男性の言葉には反応せず、石を五つほど積み上げた塔を少しだけ満足気に見た少年は、その隣に同じような塔を作り続ける。
その塔はざっと見ただけで、十ほどもできていた。
「…ああ、そういえば。石を積み重ねて願い事を叶えるだとかそんな話があったな」
その言葉に少年は弾かれたように顔を上げ、男性を見つめた。
顔をが泥だらけの少年は、男性をじっと見つめた後、ようやく口を開いた。
「……知っているの?」
「どこかで聞いた話だな」
実際、願いを込めて石を積み上げるのはとある河原で行うことなのだが、男性は言わなかった。
少し酔いが覚めてきた男性は、慣れない手つきで同じように石を積み上げ始める。
いつの間にか少年は手を止め、男性のその様子を見つめていた。

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