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「…そうか……解った。ならお前の行く先は、俺にちょっと心当たりがある。集落に寄って、それから俺達もソコへ向かう予定だったんだ。連れてってやるよ!その【青】の所へ!だから今日の所は安心して休め。集落には準備が整い次第出発、向こうに着くのが順調に行けば3日、そこからおそらく【青】があるだろうソコまで約1ヶ月かけて旅をする。それでも、普通に歩くよりゃ随分早いだろう?」
そう言って笑うグエンを見て、僕は自分でもどんな顔をしていたのか解らない。
だけど、グエンは【青】について、何かしら知っているようだし、何より彼等は移動手段がある。
この事実は、僕にも嬉しい事実に違いない。
しかし…
そんな僕を見つめるグエンの表情を見るに…僕は、きっと笑えてないのだと、そう思った。
「…まぁ、お前さんが何を考え、何を望むのかは知らねぇが……とにかく、だ。お前は俺と一緒に集落に立ち寄るんだ。その後の事は、その時考えりゃあいい。集落には3、4日停泊するだろうから、考えが変わったらいつでも言ってくれ。…おっ!どうやら水を汲み終わったらしい。じゃあプルー、行こうぜ!」
グエンはそう言うなり立ち上がり、僕に手を差し伸べた。
僕はその手を掴み、立ち上がってから気付いた。
僕の脚は…弱々しく、震えていた。
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