5/13
前へ
/13ページ
次へ
気にせず進むべきか、もう少し様子をみるべきか、諦めて帰るべきか。私が一人頭を悩ませているうちに、彼らの話はどんどん盛り上がっていく。 「罰ゲームってなにさせんの?」 「昼飯奢り系は普通すぎてつまんねーしな」 「パンイチで校内一周とかは?」 「ちょっと待て、俺を変態にさせる気か!?」 「そうだそうだ! お前なんか変態扱いされて女子に嫌われればいいんだ!!」 「嫌われるどころか警察沙汰になりそうだからマジやめて」 「フハハハハハハ! 甘い甘い!」 一位の男子が悪役さながらの高らかな笑い声を上げた。 「なに、(さとる)はなんか考えあんの?」 「当たり前だろ! なんのためにお前らに指示してこのヘタレを最下位にしたと思ってんだよ!!」 「うわー日頃の恨みこえー」 「モテない男の嫉妬こえー」 「バカちげーよ!!」 「……で。お前の用意した罰ゲームってなんなの」 「よし玲二! 耳の穴かっぽじってよーく聞けよ! お前に与える罰ゲームはなぁ!!」  一位の男子生徒はもったいぶるようにたっぷりと間をあけると、叫ぶように言った。 「ズバリ!! 女の子に〝愛の告白〟だ!!」 辺りは水を打ったように静まりかえる。私も、今の言葉を脳内で静かに反芻させてみる。 罰ゲームで愛の告白。 …………は? なにそれ。最低なんですけど。そんなんで告白するとか人間として最低じゃない?
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加