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それにしても“優しくて、いい子”って――――
お母さんの言った言葉に全く納得いかないまま、ブツブツ独り言で文句を言いながら自分のお部屋のある2階へと上がった。
『毎日通う、ってわけじゃないんだから、そんなに構えなくても大丈夫よう! 街の方だからちょっとばかし遠いけど、いい評判の塾らしいわよ。何てったって鷹史くんが行ってるとこなんだから』
塾、って聞いたら構えるに決まってるでしょ。だって! 塾っていう響きから猛勉強連想するんだから。何言ってるんだ、あのお母さんは。
いくら週に2回だけだからって、せっかく学校帰ってきてからまた勉強しに行かなくちゃイケナイなんて。
まだ2年生なのに……。
『思春期の学生に息抜きは必要なんだよ!』
って、涙目で主張したら即答で、
『息抜きしてる暇があるなら勉強しなさい! あんたと違って鷹史くんは部活も真面目にやりながら勉強に励んでるのよ!』
鷹史くんは鷹史くんは――――
口開けば出てくるあの人の名前。
お母さんも森田先生と同じ。松浦くんを基準にしてる。
あたしが漫画読む感覚で教科書とか参考書読んでる特殊の人間のあの人なんかと同類に見ないで欲しい。
「やってらんないよぉ、もおっ!」
お母さんに上手く反論できなかった悔しさを120%込めて、ベッドの上に向かって脱いだ制服を投げ捨てた。今の気持ちとは真逆の爽やかな薄ピンク色のタンクトップとパンティー姿で両腕を上げて深呼吸。
そういえば“裸になると開放的な気分になる”とかどうとかテレビで聞いた事がある。お笑い芸人も最近そんなスタイル多いし……
「どすこーい!」
誰も見てないし、ここぞとばかりにシコ踏んでみた。
肺の中に籠ってるどす黒いモヤモヤを残さず吐き出しながら、股を広げたままでしゃがんでみる。
ん? 確かに気持ちがいいじゃないか。
このイライラを少しだけでも落ち着かせようと、立ち上がったついでに「うーん」と伸びをした。
しゃがんだ時アソコの割れ目にパンティーが食い込んでちょこっと痛かったから、指で摘まんで引っ張って直した。
よしっ。こうなったらタンクトップとパンティーも全部脱いじゃってラジオ体操でもやっちゃおうかな?
“そんなの関係ないなーい!”ってね。
と、パンティーに手を掛けて思い切って下ろした瞬間――――
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