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カラスが寂しく鳴く夕暮れ時。とある平凡な住宅街。
ポップなリズムの奥に、時折切なさを感じさせるスコットランドの民謡“アニーローリー”のメロディーが聞こえてくる。
この時間になると、毎日決まってこの場所に移動パン屋がこんがりバターの焼けた香りとアニーローリーを運んでやって来る。
この辺りの住人達は、ここを通る時には必ず深呼吸を忘れない。
そんな移動パン屋の傍ら、歩道のない道端でオーバーな身ぶり手ぶりでペチャクチャ話に花を咲かせている、歳は40代後半のおばさん2人。
そこに学校帰りだろう。セーラー服を着た天然パーマショートヘアの小柄な女の子が下を向きながら歩いて通り掛かる。
「あらっ、なみちゃん。こんにちは」
先に彼女に気付いた、痩せている方のおばさんが声を掛けた。
憂いがかった夕日に照らされて、
「……こんにちは」
顔を少し上げて恥ずかしそうに返す女の子。
彼女の名は武藤なみこ。中学2年生。
学力はガッカリするほど落ちこぼれ。恋愛経験、まるっきしなし。親友もナシ。
そんな彼女を待ち受けている数々の刺激的なハプニング。まさかの官能的なアレ――――(まだ秘密)
一体何が起こるのかって?
ソレは読んでからのお楽しみ。
では、アニーローリーに乗せて、
“たか★たか☆パニック~ひと塾の経験~”をスタート致します。
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